唐招提寺から薬師寺までは近いので、歩いて行くことにしました。近鉄の駅からは降りてすぐの所にある門から入ったので、最初は間違えて、東西(南北)を逆に考えてしまいました。ここから反対側に南門があって、今の場所から左に見えているのが東塔なんですね。もう一度ちゃんとパンフレットを見直しながら、ゆっくりと、お寺を参拝しました。
680年、天武天皇が皇后鵜野讃良皇女(後の持統天皇)の病気平癒を祈って発願されました。しかし、天武天皇は薬師寺の完成を待たずに崩御され、持統天皇が即位し藤原京に薬師寺が造営されました。710年、元明天皇の命により藤原京から平城京へと遷都が行われ、遷都にともなって薬師寺も現在の地である西ノ京へと遷りました。当時の薬師寺は、天平時代までは天下の四大寺の一つとされ、金堂・東西両塔・大講堂など主要なお堂は裳階がつけられ、 その壮麗な姿は「龍宮造り」と呼ばれていました。しかし、歴史の中で多くの堂塔が火災や地震で失われます。特に、1528の年の兵火は激しく、金堂、西塔、大講堂などが焼失しました。そのなかで唯一創建時から現存するのが東塔(国宝)です。1998年に「古都奈良の文化財」の構成資産の一つとして、ユネスコにより世界文化遺産に登録されました。
ご本尊は金堂の薬師如来様(国宝)。向かって右手に日光菩薩、左手に月光菩薩様が鎮座されます(どちらも国宝)。造立当初は、 鍍金が施され金色に輝いていましたが、現在は一部をのぞいて漆黒の姿になっておられます。その他、吉祥天女画像がありますが、お正月のみの公開です。いつか吉祥天女像も見てみたい。(教科書にのってる)ミュージアムショップも広くて気持ちよくお買い物ができます。御朱印はこちらで。
高校生の頃は、修復を終えて色とりどりに輝く薬師寺の良さがわかりませんでした。数十年たった今、この価値をわかる気がします。金堂で仏様にお会いするだけでも訪れる価値があります。天平時代からよくぞ残ってくれました。そして過去の方々によくぞ国宝を守ってくれたと感謝です。
薬師寺は、天武天皇が皇后(後の持統天皇)の病気平癒を願って奈良時代に創建されたお寺です。嘗て奈良時代に隆盛を極めた南都六宗(法相宗)の大本山、南都七大寺の一つであり、多数の国宝、重要文化財を有します。特に、金堂の薬師三尊と東塔は別格の美しさを誇ります。
薬師三尊は創建当時より金堂にて祀られる金銅仏であり、御本尊です。日光、月光菩薩の三曲法を用いたボディライン、漆黒に輝く体躯が美しいです。
また、東塔は創建当時より残る唯一の建築物で、1300年の時を経て天平建築の粋を今日に伝える貴重な建造物です。
裳階によって作られる塔の大小のバランス、長い年月をかけて落ち着いた材木の重厚な色合い、芸術的な木組み、個性豊かな天人が舞い踊る水煙…その美しさは「凍れる音楽」に喩えられる程です。
天平の文化を現代に伝える寺院です。是非とも参拝していっては如何でしょうか。
710年の平城京遷都に伴い、718年に平城京右京の今の地に遷され、天平時代まで天下の四大寺の一つとされたお寺。
度重なる災害によりほとんどの堂塔が焼失てしまいましたが、1967年より次々と再建され、1998年12月に世界遺産に登録されました。9つの国宝と26の重要文化財があります。
中門をくぐると中央に金堂、左右に塔が配置され、遮るものなく青空に映える様は圧巻の美しさでした。日本に仏教が伝えられた時には塔は一つだったのを、薬師寺が日本で初めて東西に塔を配置した「双塔式伽藍」を採用し、以降その様な配置の伽藍を薬師寺式伽藍と呼称するのだそう。
さらに主要な堂塔に「龍宮造り」と呼ばれる各層に裳階という小さな屋根がつくられていて、これが正面に見える金堂と左右の塔にも造られているために、大小の重なりが流動的で壮麗さを際立たせているように感じました。
朱赤の鮮やかさのある金堂や西塔に比べ、東塔が落ち着いた色彩なのは、消失から免れた奈良時代から現存する唯一の建物だからだそうで、国宝になっています。
修学旅行生や観光客はそれなりに多かったものの、東大寺のように人混みでごちゃごちゃとした感じはなく、また建物が点在しすぎていないので、見やすくてとても良かったです。
拝観料大人¥1,000 (2024年9月)
2024年8月14日に約15年振りくらいで参拝しました。おそらく、四度目の参拝かと思います。前回は、東塔の改修工事が始まる直前だったように思います。今回、東塔を見上げて、以前よりも凛々しくなったように感じました。
東塔や東院堂も素晴らしいですが、白鳳期を代表する薬師三尊像や聖観世音菩薩立像は、息を呑む美しさです。
天武9年680年に天武天皇により発願され、持統11年697年に持統天皇によって本尊を開眼しました。文武天皇の時代に飛鳥藤原京に伽藍が完成します。和銅3年710年の平城遷都に伴い、養老2年718年に平城京へ移転しました。養老2年から現存しているのは、東塔のみです。
NHKの新プロジェクトXでも東塔の改修工事が、話題となりました。これからも、凍れる音楽と評され続けて欲しいと思います。