琉球王朝の時代に造営された庭園。中国の様式を取り入れた独特の構造が特徴です。
もともとの庭園は沖縄戦で破壊されてしまったため、現在見られる庭園の大半は戦後の復元です。それでも国の特別名勝に指定され、のちにユネスコの世界遺産にもなっています。
園内に足を踏み入れてまず目に留まるのはうっそうと茂る木々の姿ですね。気根を多数のばしたガジュマルをはじめ、園内に立つ木々は明らかに日本のほかの地域とは異なる植生で、南国の雰囲気が感じられます。
庭園の中心になるのは、中央の池とその周りの御殿(ウドゥン)のあたりでしょうか。こちらも、日本の寺院によくある池泉回遊式庭園などとはずいぶん違います。
御殿も再建ながら、古い時代の雰囲気を今に伝えていますね。いろいろと絵になるスポットの多い庭園です。
ここは平たく言うと、中国使節団をもてなす琉球王朝の迎賓館です。御殿から庭園や池を眺めたり、庭園を廻遊したりすれば、中国使節団が愛でた風景と同じ風景を愛でることができる稀有な場所です。中国の美意識を踏まえながらも琉球独自の伝統文化を随所に感じられるように創りこんであります。花が咲く時期が異なる植物を巧みに配置して、年間通じて異なる花を楽しめる工夫は、亜熱帯海洋性気候の琉球では相当大変だったであろうと、庭師の苦労が偲ばれました。
識名園は、中国と日本の建築様式が融合した異国情緒あふれる庭園で、琉球王国時代には中国からの使者をもてなす迎賓館として使われていました。格式の高さが随所に感じられ、御殿の中は居心地が良く、池を眺めながらのんびりと過ごせます。琉球が大きな国であることを示すために景色の良い場所に造られたことから、市街地から少し離れており、観光客が多すぎない落ち着いた雰囲気も魅力的です。那覇の喧騒を離れ、ゆったりと沖縄の歴史を感じたい人にぴったりの場所です。
首里城から2kmほど南の丘に造園された琉球王朝の別邸で、中国皇帝の使者の歓待にも使われた施設です。
本州の大名庭園にも見られる池泉回遊式の庭園ですが、池に浮かぶ島に建つ東屋が中国風の意匠になっているなど、琉球独自の文化を感じられました。
また、小高い丘の上に位置するにも関わらず、園内の展望台からは意図して海が見えない作りになっています。
これは、中国の使者に琉球の広さを誇示するための工夫だそうです。
■予約:不要
■料金:400円(観覧料)
■アクセス性:那覇バス「識名園前」下車すぐ
■補足:※世界遺産 琉球王国のグスク及び関連遺産群の構成遺産
識名園は、琉球王家の別邸で、池の廻りの景色を見ながら、歩ける回遊式庭園です。首里城から車で10分程と割と、近い場所にありますが、首里城に比べ訪れる人も少ないので、ゆっくり散策出来ます。入園料は400円で、無料の駐車場も有ります。